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NEST EATING MYSELF〜明治安田生命J1リーグ第14節 ガンバ大阪 vs 横浜F・マリノス マッチレビュー〜

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【このブログを読む前に】

当記事はあくまで試合のこと、スポーツ的なことに絞って書きますので、応援ボイコットの件については一切触れておりません。

ただ、私自身ゴール裏ではないですが現地観戦はしていたので、ボイコットの件を含めた所感は観戦日記の形で更新したこちらのブログをご覧くださいませ↓

 

 

 

 

 

ガンバの次にユニのアベレージ高いなって思うのはマリノスだったりする

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第14節、ガンバ大阪vs横浜F・マリノスの一戦です!

 

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同じ青、同じオリジナル10。ただ数奇なもので、この両者にとっての「良い時期」は上手く交わらずに推移していたような印象もあります。

近年、このディフェンディングチャンピオン川崎フロンターレと共にJリーグで最も成功している事は言わずもがな。安定して充実した結果、連なるタイトル、どんどん出てくるスタープレーヤー、そして魅惑のアタッキング・フットボール…今の彼らはサッカークラブが望むものの全てを持って近年のJリーグという舞台を謳歌しているようにも見えます。そしてそれは何より、ある時代にガンバが持ち合わせていたものでもあった…。4連敗、最下位。突きつけられた現実を前に、青と青の同色には見えないコントラストは痛く響くばかりです。

今のマリノスとの力の差はもはやここで説明する気もありませんし、その必要もないでしょう。そういう状況に陥ってしまった現実からは逃れられない。だからこそ、ここから這い上がる為に何が出来るか。何を追い求めていくのか。猶予も余談も許されなくなってきた問への解答は早急に示さねばなりません。ここからは一つ一つがそういう90分です。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節浦和戦からスタメンを4人変更。アンカーには浦和戦を一時帰国で欠場していたネタ・ラヴィが復帰。石毛秀樹も先発に復帰し、左WGに入った倉田秋は今季のリーグ戦としては初先発となりました。また、CBで福岡将太とコンビを組む佐藤瑶大はルヴァン杯も合わせて今季公式戦初出場。ここまではリーグ戦ではベンチ入りもしていなかったので、いきなりの先発起用となりました。三浦弦太とクォン・ギョンウォンが共にベンチも外れた一方、負傷離脱していた福田湧矢が第8節京都戦以来、山本悠樹がルヴァン杯FC東京戦以来の復帰を果たしました。

前節新潟に敗れたマリノスは新潟戦からは先発を2名変更。ボランチ喜田拓也が第11節鳥栖戦以来の復帰を果たした他、今季正GKを務める一森純はガンバからレンタルの立場なので契約上の問題で今日の試合に出場出来ず、飯倉大樹マリノス復帰後初のリーグ戦先発となりました。

 

 

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

本日は2022年から登場したマスコット「モフレム」を前面に押し出した「モフレムデー」として開催。ハーフタイムショーから限定グッズ・グルメの販売、更に立体オブジェの登場などスタジアムの各所にモフレムが表れます。先着順でスティックバルーンやフェイスシールのプレゼントもあるそうで。

また、今日の試合はプロ野球阪神タイガースとのコラボイベントとしてコラボグッズ付きチケットや阪神OBよ鳥谷敬氏とのグリーティング付きチケットが販売され、ガンバOBとしても安田理大マリノスOBでもある小椋祥平氏が来場するなどイベントてんこ盛り。更に同じ万博記念公園内の万博記念公園もみじ川広場ではウルフルズが大型コンサートを開催しており、今日の記念公園エリアはなかなか恐ろしい賑わいに…!

 

 

 

 

立ち上がり、ガンバは従来は繋いでいくところから始めていましたが、今日はマリノスがやはりハイライン設定というところも影響したのか、順序を裏を優先にして詰まった時にビルドアップ…という形で試合に入りました。その中でインサイドハーフ石毛秀樹がかなり高めの位置を取り、ジェバリと共に積極的に前に出る動きを見せながらガンバは序盤の主導権を握っていきます。

6分、マリノスのカウンターを佐藤が阻止して右サイドのアラーノにパスをつけると、アラーノからパスを受けたネタラヴィのスルーパスに抜け出したジェバリがGK飯倉をかわしてゴールネットを揺らしましたが…オフサイドでゴールは認められず。

 

 

 

ただ、序盤のリズムは確実に掴んでいたガンバもサイドを抜けた後をなかなか崩し切れず、シュートまで至らない時間が続いていく中で試合は徐々にマリノスに押し込まれていく形に。ミドルゾーンでのパスワークと前線の突破力を武器にマリノスが押し返し、ペースを握り返される展開になっていきます。

ただそれでも今日は福岡と佐藤の両CBが奮闘。果敢に縦への勝負を選択してくるマリノスのアタッカーに対して佐藤は対面勝負に負けず、福岡は彼らの前に出ようとした瞬間を上手く捉えるような守備で、マリノスマリノスでシュートに持ち込みにくくなるような状況に持っていけていました。

 

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しかし37分、マリノスは細かなパスワークから最後はエリア内でボールを受けたアンデルソン・ロペスが反転してシュート。これは佐藤のブロックでなんとかCKに流れましたが、永戸勝也が蹴り込んだそのCKを西村拓真にドンピシャで合わせられて失点。

押し返される中でもDFラインが対面で奮闘して、決定機までは与えていなかっただけに辛い失点でビハインドを追って前半終了。

 

 

後半、ガンバは3トップと両SBが積極的に背後への飛び出しを目論む事でマリノスを再び押し返し、そこから好機を目論んでいきました。56分、ネタラヴィ、石毛と繋いでアラーノが左にロングスルーパスを送り、抜け出したジェバリの折り返しはエドゥアルドの手に当たるもまさかのノーハンド判定。

ただその直後、倉田と松原健接触の際の松原のプレーがイエローカードと判断され、これが松原は2枚目のイエローとなり退場。ガンバは30分ほどの時間を残して数的優位を手にすることに。

 

 

 

そこからはほぼガンバのワンサイド的な展開で、10人になったマリノスも上島拓巳を投入し、攻撃はほぼアンデルソン・ロペスと途中から入ったマルコス・ジュニオールの2枚に任せる形を採りました。

そんな中でガンバは右は半田陸、左は黒川圭介が度々突破出来る状況が生まれていき、こぼれ球もしっかり拾うことで二次攻撃・三次攻撃と繰り返せるほどマリノスを押し込んではいましたが、ある意味普段のマリノスのイメージとは異なるほどにぴったり引いてブロックを固めてきたマリノスの牙城を前に、特に畠中槙之輔エドゥアルドの壁をどうしても崩せず…。

 

 

 

どうにかこじ開けたいガンバは74分に倉田と石毛を下げて宇佐美貴史と福田湧矢を同時に投入して攻勢を狙います。

しかし皮肉にもその直後でした。ガンバのCKをマリノスが弾いたルーズボールをマルコスが収めるとマリノス陣内でロペスにパス。すると反転したロペスはプレスに行った佐藤、宇佐美、ネタラヴィをごぼう抜きにしてしまうセルフカウンターを披露し、最終的には敵陣で宇佐美に倒されてFKを得る結果に。これを永戸に思いっきり叩き込まれてしまい……流れのあったガンバにはあまりにも致命的な一打が突き刺さって0-2。

 

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いよいよ後がなくなったガンバは82分にネタラヴィとアラーノを下げて山本悠樹と鈴木武蔵を投入。85分にはダワンのフィードを高い位置で受けた半田が粘ったボールを鈴木が拾い、エドゥアルドをかわしてシュートに持ち込むもGK飯倉がファインセーブ。それならばと鈴木は87分に半田のスルーパスに抜け出して今度はGK飯倉をかわして無人のゴールにシュートを放つも、今度はエドゥアルドが戻ってきて…。

アディショナルタイムマリノスがカウンターから掴んだ決定機はGK東口順昭がファインセーブで防いで3点目こそ回避したものの、試合はそのまま終了。ガンバ大阪にとって1998年以来25年ぶりとなる5連敗は、まるでチームとクラブを崖の淵への背を押すような敗北となりました。

 

 

 

感情的な事は観戦日記の方で書くので(書く元気があれば)、ここではあくまでスポーツの事だけ…。

まず前提として、やはりマリノスがハイテンポ・ハイインテンシティー・ハイラインで戦ってくるという前提があった以上、上で書いたようなビルドアップと縦への意識の順序を入れ替えたところには対戦相手を踏まえての力関係という部分はあったと思います。現実的に考えた時にマリノスペースになる可能性は高い。その中で風向きを手繰り寄せるにはどうしたらいいか…と。

そんな中でポイントだったのは倉田の位置取りで、倉田がミドルゾーンを精力的に動く事で石毛があまり守備に奔走せず、比較的高い位置を取れるようになっていた。石毛が高い位置でボールを受けれるようになった事で、ジェバリやアラーノが抜けやすい状況は作れていましたし、左サイドで言えば黒川も前に出やすい状況にはなっていたと思います。おそらくイメージに近いスペイン的なポジショナルプレーを求める人にとっては倉田の動きはあまり好ましくない動きではあったと思いますが……この日のガンバの狙いに於いて、倉田の動き方は結構アクセントになっていました。

前半の途中からはマリノスに押し込まれる展開にはなってしまいましたが、後半に入ってからは松原が退場する前から再び攻撃の循環は取り戻せていました。以前のブログでも考察したように、ポヤトス監督はおそらくポゼッションやポジショナル以上に「スペースを作って利用する為にどうすればいいか」みたいなところを軸に物事を構築していると考えられるので、その点で言えば両SBや途中から入った鈴木が抜ける場面を多く作れたのは、内容的にはやろうとした事がある程度出来た試合ではあったのかなと。

守備に関しても、福岡と佐藤の両者は役割分担も含めて本当に素晴らしかった。福岡は元々そこに強みを持つ選手でしたが、佐藤も攻撃の一歩目としての意識を強く持てていましたし、そしてマリノスのアタッカーに対する守備での奮闘も見事でした。正直、あの恐怖の3トップ相手に対面で負けた場面が思い出せないですし。倉田もそうですが、個々のアピールとして評価を高めた選手は少なからずいたと思います。

 

ただ、だからこそ…セットプレー2発で仕留められた事があまりにも痛恨でした。ポヤトス監督は「今日のゲームは負ける価値はなかった」と語っていましたが、勝てていてもおかしくない試合ではありましたし、マリノスからすれば負けていてもおかしくない試合ではあったはずで。

しかし、そういう試合を落とすガンバとそういう試合をモノに出来るマリノスの差は運や誤審で片付けられない事は確かで、勝ってもおかしくない試合ではありながら、同時に所謂「不思議の負け」ではなかった事も事実。11対10になってガンバのワンサイドゲームのような展開になった時、マリノスは自分達に自身があるからこそあそこまで割り切った戦いが選択できて、そして遂行出来た。スコアは僅差、内容だけならむしろ勝っていたかもしれない。ただ遂行力は順位以上の差があった。

接戦であり、奮闘であり、そして必然───おそらく8〜9位くらいならこの試合を素直に「良い試合だった」と呼んだのでしょうけど、現実がその逃げ道を許さない以上、物事を慰めようはないのかなと…。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

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明治安田生命J1リーグ第14節

北海道コンサドーレ札幌2-1京都サンガFC

アビスパ福岡0-0浦和レッズ

鹿島アントラーズ1-1FC東京

湘南ベルマーレ0-2セレッソ大阪

名古屋グランパス2-1サンフレッチェ広島

柏レイソル1-1ヴィッセル神戸

横浜FC2-1川崎フロンターレ

サガン鳥栖2-0アルビレックス新潟

ガンバ大阪0-2横浜F・マリノス

 

 

1位 ヴィッセル神戸(30)

2位 横浜F・マリノス(27)

3位 名古屋グランパス(26)

4位 鹿島アントラーズ(23)

5位 サンフレッチェ広島(23)※1

6位 セレッソ大阪(23)

7位 北海道コンサドーレ札幌(22)

8位 浦和レッズ(21)※2

9位 アビスパ福岡(20)

10位 FC東京(19)

11位 川崎フロンターレ(18)

12位 サガン鳥栖(18)

13位 アルビレックス新潟(16)

14位 京都サンガFC(13)

15位 柏レイソル(12)

16位 横浜FC(12)

17位 湘南ベルマーレ(11)※1

18位 ガンバ大阪(7)

 

※1 1試合未消化

※2 2試合未消化

 

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首位を独走する神戸はネルシーニョ監督解任に踏み切り井原正巳監督の初陣となった柏と対戦。状況としては対照的な構図となった試合でしたが、試合は柏がオウンゴールで追いつく形で1-1のドローで終了。注目の3位名古屋と4位広島の直接対決は名古屋が制し、2位横浜FMもきっちり勝利した事で、横浜FMと名古屋の2チームが神戸を追う構図は継続されています。

下位では柏が勝点を1積み上げた一方、17位横浜FCが川崎相手に2-1で勝利して16位に浮上。京都と湘南は共に4連敗を喫して下位争いに食い込んでしまっており、特に湘南は17位に転落しています。G大阪?2回も喋らせないでよ…。

 

 

いや、まあ、それでもあれはPKだろとは言わせてくれ

ではでは