「ちゃんと周年、やれてますか?」
「ちゃんとアニバーサリー、やれてますか?」
そう私は聞きたい。
その言葉から始まった今回の企画。企画概要と説明については前回の方を読んでください(なげやり)
さて、前回は煌びやかでしたね。アニバーサリーイヤーが美しかったチームという事で。
さぁ、問題なのは今回です。アニバーサリーイヤーにやっちまったチームの皆様です。虚しさもひとしお。というか、心当たりのあるファンも多いでしょう。正確に言えば君たち、あの年がアニバーサリーイヤーだった事を記憶から抹消しようとしていませんか…?そうは問屋が卸さねえぜ。
一応、今回は参加条件として(参加条件ってなんだよ)、既に20周年は超えたチームを対象としています。
また、あくまで「成績的に悲惨なチーム」の方にランクインしてしまったも営業的には素晴らしい成果を残したチームも多いですが、逆にイベントとしての成功とのギャップは若干加点になってる場合もあります。逆に、アニバーサリーイヤーとは銘打っていなかったクラブも除外しております。
おまたせしました。今回は「やらかした周年編」です。
ただでさえ襲う強烈な屈辱に重なる切なさ。何も周年じゃなくたって!悲哀を感じる回でございます。前回とは温度が違うぜ!
Jリーグ30周年記念特集はこちらから!
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オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。
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【第5位】
サンフレッチェ広島 25周年
(2017年)
監督:森保一(6年目)→ヤン・ヨンソン
J1リーグ:15位(勝点33・8勝9分17敗)
天皇杯:ベスト16
チーム得点王:アンデルソン・ロペス(10得点)
本拠地:エディオンスタジアム広島(広島県広島市)
20周年となる2012年にJ1を制覇してから森保監督体制でJ1制覇を3回。前年こそ無冠に終わったが、言わば満を持して25周年を迎えた格好になりました。しかし開幕から極度の不振に襲われて前半戦を終えた時点で僅か2勝という事態に陥り、第17節浦和戦の大逆転負けを最後にクラブレジェンドの森保監督は辞任。4月に行われた仙台との25周年記念試合こそアディショナルタイムに追いつく3-3のスリリングな白熱した試合を見せましたが、ホーム初勝利は8月の第23節まで待たねばならないという…。最終的に夏場から監督に就任したヨンソン監督が長年培ってきた3バックとの決別などの策を講じ、どうにか15位で残留には成功しましたが、レジェンドの解任やそれまでの黄金期から急落した残留争いにアニバーサリーイヤーとしては辛いシーズンになってしまいました。
ちなみに広島ですが、10周年と15周年の年にはJ2降格を余儀なくされ、25周年には壮絶な残留争い。逆に20周年は初優勝で、30周年はルヴァン杯の優勝とリーグ戦での躍進……良いか悪いかはわからないけど、広島の周年は派手に転がるという…。
【第4位】
ガンバ大阪 30周年
(2021年)
J1リーグ:13位(勝点44・12勝8分18敗)
ルヴァン杯:ベスト8
天皇杯:ベスト8
ACL:グループステージ敗退
ゼロックス杯:準優勝
チーム得点王:パトリック(13得点)
本拠地:パナソニックスタジアム吹田(大阪府吹田市)
とんでもないシーズンでしたねぇ…。なんというか、もちろんガンバ自身の責任も当然大きかったとはいえ、その上で「1年でここまで色んなこと起こるかね」というほどの逆風が吹きまして。それはもういつどこでキングボンビーくっつけてきたんだレベルの。もうこの年のファンを含めた関係者全員、身体と心のキャパシティーが完全にぶっ壊れましたね。
この年のガンバ大阪に関しては2021年にもう情緒たっぷりの非常に読み応えのあるブログを書きまして。自画自賛する力作ですので、ぜひ此方を読んでもらえればと。ガンバファンは色々思い出して吐く可能性あるけど…。
ちなみに10月の30周年記念試合はもはや自虐ネタに昇華。1-5って。ハーフタイムにゴダイゴさんが歌われたおかげで、一時期銀河鉄道999がトラウマになったガンバファンも多かったとか…。
【番外編】
…勘のいいガキは嫌いですが、勘のいい方はお気づきでしょう。前回は番外編は2トップの前にやりましたが、今回はトップ3を前に番外編でございます。はい、残りの3チーム、全部周年に降格しました。
…という訳でトップ3発表の前に番外編という事で、グッドかバッドのどっちにすればいいかわからない、良いか悪いはともかく印象的な出来事があった等々……トップ5に入れなかったからといってスルーするには惜しいチームを取り上げていきます。
③名古屋グランパス 20周年
(2012年)
監督:ドラガン・ストイコビッチ(5年目)
J1リーグ:7位(勝点52・15勝7分12敗)
ナビスコ杯:ベスト8
天皇杯:ベスト8
ACL:ベスト16
チーム得点王:永井謙佑(10得点)
本拠地:豊田スタジアム(愛知県豊田市),瑞穂陸上競技場(愛知県名古屋市)
成績としては中位。しかしピクシー・グランパス黄金期で迎えた20周年と思うと……最終節までACLを争ったのでランクインするほどではないですが、残念な周年だった事は確かでしょう。この年が黄金期の終わりでもあった訳で。
ただ名古屋グランパス20周年の最大の事件はなんと言っても彼らの20周年記念試合。様々なイベントを盛大に実施する中で、当時ガッツリ降格圏に浸かっていたガンバとの試合、スコアはまさかの0-5。「何も残らなかった90分!」の元ネタはこの試合。あの記念試合クラッシュの破壊力はここに書かずにはいられなかった…。
なお名古屋の20周年記念試合に続いて浦和の20周年記念イベントを5-0で破壊したガンバさんは9年後、自分達の30周年記念試合を札幌にギタギタに破壊される事に。おのれ札幌。
④ヴィッセル神戸 25周年
(2020年)
監督:トルステン・フィンク(2年目)→三浦淳寛
J1リーグ:14位(勝点36・9勝9分16敗)
ルヴァン杯:ベスト8
ACL:ベスト4
ゼロックス杯:優勝
チーム得点王:古橋亨梧(12得点)
本拠地:ノエビアスタジアム神戸(兵庫県神戸市)
幸先はめちゃくちゃ良かったんですよ。まさしく25周年記念日となる元日に2019シーズンの天皇杯決勝を際して念願のタイトル獲得。2020年に入ってもゼロックスを制して…ここまでは完璧な25周年でした。イニエスタもいたし。ただ、最終的にリーグは大型連敗もあって14位。クラブ史上初のACLは好成績を残しましたが、トータルとしてはなんとも形容し難いシーズンに。
何より…この年ってコロナが襲ったんですよね。神戸の感じだとおそらく、やりたい企画とかめちゃくちゃあったと思うんですけど、それが公表される事もなく頓挫した施策なんかかも多かったのかなぁ…と。そういう意味でも振れ幅や不運面も含めて番外編に入れました。
【第3位】
清水エスパルス 30周年
(2022年)
監督:平岡宏章(2年目)→ゼ・リカルド
J1リーグ:17位(勝点33・7勝12分15敗)
ルヴァン杯:グループステージ敗退
天皇杯:3回戦敗退
本拠地:IAIスタジアム日本平(静岡県静岡市)
2021年から一気にクラブとしての規模拡大を図って、前年にはGK権田修一を始めとした大型補強を敢行。前年の途中就任で残留に成功し、かつエスパルス初年度にルーキーとして加入した平岡監督を続投させてシーズンに向かいました。しかし当時は神戸の派手な不振っぷりであまり目立っていませんでしたが、その裏でしれっと地味に17位をキープする事態に陥り平岡監督を解任。後任のゼ・リカルド体制では夏場の大型補強の甲斐もあって巻き返し、一時は「清水は残留圏内から抜け出した」とも思われたものの…。
複数の清水サポさんから「清水も入れて」とのお言葉を頂戴しましたが、あなた達は残留争いサークルの秩序を破壊したとして除名させていただいております。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2022年9月2日
サークルに復帰したければ連敗してください。
9月から再び低迷期に戻ると、まるで嫌がらせかのように湘南神戸福岡ガンバが揃ってV字回復。最終節の札幌戦では悲劇的な負け方を喫し、磐田と一緒に自動降格というなかなかハードな結末を迎える事となってしまいました…。
ちなみに清水は社長に「プロスポーツ経営のプロ」の招聘を積極的に行っているクラブで、2020年にはプロ野球千葉ロッテマリーンズの山室晋也社長を迎えておりマーケティングを強化。それもあって、30周年記念試合を中心としたアニバーサリー事業は概ね大成功を収めて過去最高額の営業収入を叩き出したのですが…それゆえに結果とのギャップも大きく映る事に。
【第2位】
ジュビロ磐田 20周年
(2013年)
J1リーグ:17位(勝点23・4勝11分19敗)
ナビスコ杯:グループステージ敗退
天皇杯:3回戦敗退
チーム得点王:前田遼一(9得点)
本拠地:ヤマハスタジアム(静岡県磐田市),静岡スタジアムエコパ(静岡県袋井市)
20周年を迎えた磐田でしたが、既に海外組中心になりつつあった当時の日本代表選手に最多の3人もの代表選手を送りながらも開幕から大低迷。黄金期こそ既に終わってはいましたが、中位は維持していただけに深刻なスランプは印象的でした。その低迷の波は監督交代を敢行し、ロンドン五輪で日本代表を4位に躍進させた関塚監督を招聘しても変わらず、ヤマハスタジアムを改修後の初試合でOBが大集結した名古屋戦でも敗戦。この時の磐田は既に「残留争いに巻き込まれた」ではなく「降格濃厚」のゾーンに位置付けられるようになりました。
結局、3試合を残した第31節の時点で降格が決定。この年は大分が記録的な低成績だったことで最下位は免れましたが、勝点23(磐田が最下位で降格したシーズンよりも勝点は少ない)という例年ならば最下位水準、歴代のびっくり降格チームでのなかなかハードな成績を叩き出す結果に。かつて黄金期を謳歌したチームが迎えた20周年はあまりにも、あまりにも屈辱的な初降格という結果に終わりました。
なお、そんな黄金期の記憶を含めた磐田の歴史を余すところなく詰め込んだクラブ創立20周年記念誌は降格が決まった週に発売されたという……。
【第1位】
セレッソ大阪 20周年
(2014年)
監督:ランコ・ポポヴィッチ(1年目)→マルコ・ペッツァイオリ→大熊裕司
J1リーグ:17位(勝点31・7勝10分17敗)
ナビスコ杯:ベスト8
天皇杯:ベスト8
ACL:ベスト16
チーム得点王:ディエゴ・フォルラン(7得点)
本拠地:ヤンマースタジアム長居,キンチョウスタジアム(共に大阪府大阪市)
「初降格」に「成績の悲惨さ」で言えば磐田の方が深刻だったイメージがあるのでちょっと悩みましたが、落差というべきか、理想とのギャップというべきか、天国からの地獄とでも言うべきか…ガンバファンの私ですら「何も周年にそんな急落せんでも…」と思うほどのスプラッシュマウンテンに乗り込んでしまったセレッソ20周年を1位としました。
セレッソの場合、重要だったのが前年がクラブとして充実期を迎えていたという事。柿谷、山口、扇原、杉本、南野といったユース育ちのヤングスターの躍動で優勝争いをした事はクラブにとって理想形に近い程の姿だったでしょう。よりにもよってイケメンでしたから「セレ女」なんて言葉も流行りまして。そして20周年に向けて来たのがフォルランですよ、フォルラン。
ただイニエスタの神戸入団はポドルスキもいたしバルサも楽天の関係もあったし、Jリーグ自体がDAZNで好景気だったからびっくりはしたけど意外とスンと受け止められていたところはあったのよな。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2023年5月25日
そう考えたら一番衝撃だったのはやっぱりフォルランやったかもしれん。あの時Jリーグ不景気だったし。
正直、DAZN参入もあって近年はJリーグって割と好景気寄りだと思うんですけど、この時ってJリーグの不景気っぷりが凄くて。だから上のツイートにあるように、セレッソのフォルラン獲得って自分の中ではイニエスタ以上の衝撃があったんですけど。そこでセレ女ブーム然りフォルラン然り、これだけ訴求力を持つようになった当時のセレッソでガンバファンとして妬み嫉みを持ちつつ、Jリーグ的にはなかなかありがたい存在だったんですよね。
それがまさか…ね。あんな事になるとは……(以下自重)。しかもよりにもよってガンバが三冠を獲るという…。
完結。
ガンバ30周年は呪われてるのかと思いましたよ…
ではでは(´∀`)