トゥーロン国際って名前変わってたのね
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会2回戦、ガンバ大阪vsFC岐阜の一戦です!
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ルヴァン杯で敗退したガンバにとって、残された最後のトーナメントが開幕です。新エンブレム元年、ガンバに残されたのタイトルチャンスである天皇杯が始まります。
…とて、ガンバの状況は芳しくないのが現状です。目指すサッカーと目の前の光景のギャップ、理想と現実、そもそも11人を組める勢いで増えていく負傷離脱者を前に、今のガンバは目指すべきものをどこまで追えばいいのかをも手探りになってしまっている状況……とも言えるでしょうか。それぞれがそれぞれの葛藤を抱えども、カレンダーは待ってくれません。今日から始まる新たなコンペティション……おそらく、普段出番の少ない選手や離脱から復帰した選手の試運転としてもこの試合は使われる事でしょう。
対戦相手の岐阜は、そういう意味ではガンバに少し近い境遇に置かれたチームとも言えるかもしれません。J3優勝間違いなし……少なくともゲームのコンピュータに操作させればJ3優勝は間違いなし、いや、そもそも2年前にはJ2に帰っているはずの戦力を揃えているのですが、彼らも苦しい時期が未だに続いています。トーナメントですから、まずは勝って次のラウンドに進むことが絶対。その上で、今のガンバは何をすべきなのか、何を目指すべきなのか…変革を謳う今シーズン、そのテーマに問いかけるような試合になるやもしれません。
両チームスタメンです。
ターンオーバーも何もそもそも18人をなんとかギリギリ揃えられている状態のガンバですので、そこまで大胆なメンバー変更は行われておらず、直近の第16節鳥栖戦のベンチ入りメンバー18人から外れたのも齋藤未月と韓国代表に選ばれたクォン・ギョンウォンの2人だけ。一方、福岡将太とチュ・セジョンが4月のルヴァン杯大分戦以来となる復帰を果たしました。GKは鳥栖戦でJ1デビューを果たした加藤大智が引き続き務め、3バックは右に三浦弦太、左に福岡、真ん中には佐藤瑶大が入っています。
第8節終了時点で三浦俊也監督を解任し、横山雄次監督が率いる岐阜は直近のリーグ戦では3-4-2-1を採用しましたが、今日は4-4-2にシステムを戻しました。怪我から復帰して久し振りにベンチ入りした松本歩夢はガンバユース出身選手ともあって、メンバー紹介時には拍手を送られる一幕も。
昨日、5月31日…日韓ワールドカップの開催から20年を迎えましたが、当時の大阪での開催地は大阪長居スタジアム(ヤンマースタジアム長居)で、パナスタの建設計画なんて夢のまた夢みたいな状況でした。それが20年の時を経て、今では日本代表のホームスタジアムとしては、豊田スタジアムと共に埼玉スタジアム2002の次に付ける位置のスタジアムとして定着し始めています。ちなみに日韓W杯の開幕直前、ガンバは万博記念競技場でチュニジア代表との練習試合を行いました。
対戦相手の岐阜ですが、ガンバにとってはトップチームとしては、2013年に長良川競技場で8-2でガンバノミクスのなんたるかを見せつけて以来の試合です。一方、ガンバ大阪U-23としては2020年にJ3で対戦しており、U-23として最後に戦ったのもパナスタでの岐阜戦でした。田中順也とかいうガンバキラー・パナスタキラー…。
トップチームが岐阜と試合するのは2013年以来。ド平日&ガッツリ雨という環境で岐阜の当時の動員記録を更新しつつ8点ぶち込んで2点あげる圧倒的なガンバノミクスを披露しました。
— R (@blueblack_gblue) 2022年6月1日
ちなみにこの時岐阜の選手として出場した森安さんは、2021年のACLに帯同してガンバの英語通訳を務めてくださった方です。 pic.twitter.com/6wq4FFWnME
本日は現地観戦!何気に私、岐阜って多少の縁があって、ファンというほどでは無いけど気になる存在では常にあるんですよね。いつかの京都サンガFC戦に続いて、私の中のエモさをくすぐる試合になりました。という訳で本日もマッチレビューと観戦日記をまとめて書いていきます。
天皇杯は中継が無かったので、雰囲気や試合の感じが少しでも伝われば。
天皇杯って主催がJリーグじゃないんで、基本的にイベントとかは小規模な編成。試合前には過去の天皇杯ダイジェストも流れてました。
それにしてもやっぱり、岐阜は岐阜でスター集団ですよねぇ…。それも柏木陽介なんてパナスタ史上に残る珍場面を作った男ですし、田中順也はパナスタキラーなところあるし。
さて、キックオフです。
前半からガンバはロングボール主体、といってもレアンドロ・ペレイラというよりは、最終ラインからサイドの深いところにボールを送り、そこに小野瀬康介や黒川圭介が深い位置まで走っていく事で二次・三次攻撃に繋げようとしているように伺えました。立ち上がりはそのやり方も少し上手くいっていたのですが、セカンドボールの回収やハイボールに対する競り合いでは岐阜の方が上回っており、徐々に岐阜に押し込まれるというか、岐阜が効率よく左から切り崩す場面が相次ぐようになっていきます。
そしてその流れをそのまま表すかのように、しかし岐阜の左サイド…日本代表経験もある橋本和と、小中をガンバで過ごした村田透馬のコンビがキレキレの突破を度々披露。8分には橋本のスルーパスでサイドを崩して折り返し、ゴール前の混戦を誘発して富樫佑太が先制点を奪うと、続く14分には柏木の縦パスを起点に巧みなパスワークで今度は村田が押し込んで2点目…。
想像以上に右サイドをギタギタに崩されるという緊急事態に、更に当初の狙いでもあったサイドの深い位置からの攻撃にしても小野瀬がかなり守備に忙殺される状況が続いたガンバは、2点目を取られたガンバにタイミングでシステムを4-4-2、福岡を右SB、石毛を左SHにした布陣に変更します。ここからはガンバもリズムを取り戻していきました。
21分には岐阜のビルドアップに果敢にプレスをかけると、クリア気味に蹴ったボールを奥野耕平が頭で当て、そのボールをスルーパスのように拾って抜け出したウェリントン・シウバがGKまで振り切り、なんとか前半の真ん中が過ぎるまでの間に1点を返します。
積極的にプレスをかけてくる岐阜に対し、システムを4-4-2にしたガンバは密集する状況を上手く回避出来るようになり、序盤は小野瀬同様守備に忙殺されていたチュ・セジョンも持ち前のパスセンスを発揮出来るようになっていきました。
結局前半のうちに追いつくことは出来なかったものの、前半が終わるまでの間にリズムとテンポは掴んで前半を終えます。
前半の最後の方の戦い方に一定の手応えを掴んだのか、ガンバはメンバー交代なく後半に突入。後半開始早々の47分、右からの石毛秀樹のCKが上手くエアポケットのようなゾーンに落ちると、ここに奥野が飛び込んでガンバが同点!
そしてこの奥野の同点弾を合図に、後半はほぼほぼガンバのワンサイドゲームの様相を呈していきました。シウバはいつもの事として、途中からシウバと2トップを組む形になったペレイラも相手DFにしっかりプレッシャーをかけつつ、前を向いた時には彼のストロングを示す場面も見せたことで相手の"脅威"として機能し、そんな2トップの推進力にチーム全体のライン設定を高く出来た事で、前半はアグレッシブな守備を見せていた岐阜もラインを下げざるを得ない展開になっていきました。
ガンバは61分にダワンとパトリック、72分には藤春廣輝と山見大登を投入。サイド攻撃主体とはいえ、シンプルなパトリックとペレイラを目掛けて…というよりは、中盤から押し上げながらきちんとサイドを崩してから上げる…という流れが確立されていた事で、後半はほぼほぼ岐阜をサンドバッグ状態に追い込んでいきます。
しかし追い込まれた側の岐阜も、ガンバに崩される事はある程度前提としてもペナルティエリアの中での集中力は高く保ち続けて、DF陣を中心に積極的に跳ね返し続けていきます。
何より岐阜が恐ろしかったのは、いかんせんガンバの両SBが完全に攻撃仕様になっていた事で、一方的に守る形にはなりながらもカウンターの姿勢は常に保ち続けていた事。特にあれだけ攻められれば守備の枚数を増やして…とか、攻撃はスピードかパワーを持つ選手だけに…となりそうなところですけど、柏木を52分まで起用し、その柏木を下げて投入したのが庄司悦大だったのもあって、岐阜は劣勢ながら「カウンターアタックを出来る選手」+「カウンターを始められる選手(柏木or庄司)」を常に置いている状態となり、岐阜の少ない攻撃チャンスは全部決定機まで行くという事態に。それでもオフサイド判定や加藤の好セーブにも救われ、試合は延長戦へ。
ワイ、サッカー観戦17年目にして初の延長戦。
わい、サッカー観戦17年目にして遂に人生初の延長戦
— R (@blueblack_gblue) 2022年6月1日
しかし延長まで行くと、やはり地力とフィジカルというよりもチームとしての体力で勝るガンバが圧倒的に優位に立ちました。それでももどかしい時間は長かったとはいえ、102分に三浦のややアバウトなパスにペレイラがほぼ体力限界モードながら懸命に脚を伸ばしてコースを変えると、DFとGKの疎通が曖昧になったところを見逃さずにパトリックが決め切ってようやくガンバ逆転!!!!
脚を攣った福岡、まだやりたそうな感じ出してたけど完全にガス欠になりかけていたペレイラを下げ、桒原陸人と南野遥海のユース組2人を投入した延長後半は久方ぶりに見る攻撃ショー状態でした。バイタルエリアまで何度も押し込み、小野瀬や山見が内寄りで絡みながら藤春がラインブレイク……J3相手に延長後半やってんじゃねぇと言えばそれまでですが、この時間にはなかなか楽しいものがありました。
113分、ペナルティエリア付近までボールを運んだダワンの横パスを、中央にポジションを取った小野瀬がスルーパスで送ると最後は藤春!!
ガンバ一筋12シーズン目、バンディエラのゴールで試合を締め括ったガンバ。岐阜の粘りもあって苦しい試合だったながらも勝ち切り3回戦進出です!
………。
…良かったぁ…………。
…2点目取られた時はマジでどうなる事かと思いましたよ。というか岐阜が想像以上に良かったのもありますし。先に岐阜の方から触りましょうか。
普段岐阜の試合を全部見てる…とかじゃないので、実際に成長しているのか、はたまたこの日が出来過ぎだったのかはわかりませんが、守備の狙い所と攻撃の狙い所がチームとしてすごく統一されている感がありました。それは前半の攻勢をかけていた時間しかり、劣勢の後半でチャンスを全部決定機に持っていったところしかり。延長戦はさすがに色んな意味で限界が来たところもあったのでしょうが、いち観客として今日の試合を心底楽しめたのは岐阜のパフォーマンスあってこそだと思います。
上で書いたように、ガンバやサンガのように追ってる訳ではないですが、ちょっと岐阜には思い入れというか縁のある私としては、ガンバ大阪vsFC岐阜というカードでこういう激闘になったのは少し嬉しい部分もありました。
…で、ガンバに関して。
まず大前提として、J2ならまだしも、本来J3以下のチーム相手に延長まで持ち込まれるのはお世辞にも良いとは言えない事です。それは間違いない。上で書いたように、この試合には「岐阜が勝つ為のシナリオ」になり得るような瞬間がいくつもあったので。そこは次の公式戦まで2週間以上ある訳ですから、チームとして色々考えていかなければならないのは事実でしょう。
一方で、天皇杯はJリーグ以上にハイライトがカットされて、いわゆるテキスト速報なるものもあまりないですけど…後半以降に関しては、なかなか3点目が入らなかった事を除いてはめちゃくちゃ得点機会は多かったんですよね。今月のガンバはメンバーは揃わないし、新体制の産みの苦しみからも抜け出し切れていない中で鬱憤が溜まりに溜まりまくっていたでしょうし、それが明確に表に出ちゃったのが大阪ダービーでの昌子源とペレイラの件だったんでしょうし。
そういう鬱積した状況の中で、苦戦は苦戦とは言っても今日のようなガンガンにオープンでヒャッハーな、ある意味で"アホ試合"に近い試合が出来たのは、チームにとっては一つのきっかけには出来るような気もしています。なんというか、選手も久々に楽しそうにやれていた感じもしましたし。「J3相手に延長戦まで行ってんじゃねぇや」と言われればもうその通りでございますとしか言えないんですけど、でもここでこういう内容の試合が出来た価値はあったでしょう。福岡やチュ・セジョンといった怪我などもあって出番から遠ざかっていた選手の奮闘もありましたし、ここ最近は批判の的になりがちだった奥野やペレイラも良いプレーしたましたしね。
…一瞬、「あれ?こんな選手いたっけ…?」と思ったら前髪下ろしたセジョンでした。前髪下ろすとガラッと雰囲気変わるわね…。
……それにしても私ね、さっきも言いましたけど、17年間サッカー見てきた初めて現地で見る延長戦だったんですよ。
晩飯ね、ガンバの試合終わりは大体いつも行ってる飯屋がね、最寄駅付近にあるんですよ。当たり前のようにそこ行こうとした訳ですよ。ほんとね、延長戦とはなんたるかを知りましたわ。営業終わっとった……。
【天皇杯3回戦組み合わせ】
ではでは(´∀`)