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J1リーグ監督名鑑2023☆PART2

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意外とボウリング得意です

 

どーもこんばんは

 

さてさて、いよいよ2023明治安田生命J1リーグの開幕も近付いてまいりました!

 

という訳で今回も毎年恒例、J1監督名鑑やっていきます。今回は第2回ですね。

毎年恒例、監督名鑑ですけど別に戦術的志向は大して語っておりません。肩肘抜いてお読みくださいませ。

 

 

 

Part1→札幌鹿島浦和FC東京川崎

Part2→横浜FM横浜FC湘南新潟名古屋京都

Part3→G大阪C大阪神戸広島福岡鳥栖

 

 

Jリーグ開幕ガイド作りました!是非覗いていってください!

 

昨年更新した歴代ベスト監督&ワースト監督をクラブ別に考えてみた連載こちら

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

ケヴィン・マスカット

(横浜F・マリノス)

 

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生年月日:1973年8月7日

国籍:オーストラリア

現職:2021年7月〜(3年目)

Jリーグ最高成績:J1優勝(2022横浜FM)

過去に率いた主なチーム:メルボルン・ビクトリー(2013.10〜18-19)、シントトロイデンVV(2020.6〜2020.12)など

過去の主な実績:Aリーグレギュラーシーズン(14-15,17-18メルボルン・V)、Aリーグファイナルシリーズ(14-15メルボルン・V)、FFAカップ(2015メルボルン・V)、J1優勝(2022横浜FM)など

Aリーグ年間最優秀監督賞(14-15)

Jリーグ月間最優秀監督賞(2021年8月,2022年5月,2022年7月,2022年9月)

 

師と仰ぐアンジェ・ポステコグルー監督の後を継いで2位で終えた2021年を経てフルシーズンで指揮を執った2022年シーズンは豊富な選手層を基に徹底したローテーション制を採用。揺るぎないチームコンセプトと全員がそれを体現するパフォーマンスを促して2019年以来となる優勝を達成した。前体制から発展的継承を実現させたマリノスのサッカースタイルには「うちのスタイルをプレーして選手達は楽しくないわけがない」と胸を張る。優勝を決めた最終節の神戸戦には来日した父親が観戦しており、横浜に帰ってから父親と祝勝会をしたそう。

ポステコグルー監督とは元々メルボルン・Vの監督と選手→コーチという間柄。ポステコグルーの後を継ぐ状況はメルボルン・V時代にも経験しており、ポステコグルー体制とマスカット体制の両方で優勝させた過去がある事から、同様の偉業をJリーグでも実現させた事はオーストラリアでも話題になったとか。大まかな方向性はポステコグルー監督と同じだが節々に違いはあり、マスカット監督の方が臨機応変な対応や柔軟性は高く、選手やコーチングスタッフの意見も積極的に耳を傾けるタイプ。

選手やスタッフとの柔和な接し方や試合前後のコメントでは紳士ぶりがダダ漏れのマスカット監督だが、イングランド等でプレーした現役時代はラフプレー常習犯として有名で「『ピーター・クラウチが唯一恐れた男』と呼ばれた」「かつて削った選手の自伝で名指しで批判された」「試合中のラフプレーで訴訟を起こされた」などの武勇伝が多々ある。DAZNやSPOTVの解説でお馴染みのベン・メイブリー氏は現役時代のマスカット監督を振り返って「今の姿をイングランドの人に見せたら驚くと思う」とまで語っており、ある意味で伝説の選手として知られていた。ちなみに現役最後の試合は2011年ACLでのG大阪戦で、マリノスの監督としての初陣の相手もガンバだった。オーストラリア代表としても、中田英寿の豪雨のFKで有名な2001年コンフェデ杯準決勝の日本戦にも出場している。

 

 

 

四方田修平

(横浜FC)

 

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生年月日:1973年3月14日

国籍:日本

現職:2022年〜(2年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ11位(2017札幌)

過去に率いたチーム:北海道コンサドーレ札幌(2015.7〜2017)

過去の主な実績:J2優勝(2016札幌)、J1昇格(2022横浜FC)など

Jリーグ月間最優秀監督賞(2022年2・3月)

【当ブログ選出 クラブ別ベスト監督ランキング企画 札幌3位

 

様々な役職で23年間過ごした札幌を離れ、2022年から横浜FCの監督に就任。監督就任1年目ながらシーズンを通して安定した戦いぶりを見せ、見事横浜FCの1年でのJ1復帰を実現させた。札幌の監督を務めた2016年にもJ2優勝でJ1昇格を果たし、翌2017年は11位で残留を決めてその後の礎を築いた事から、近年規模が拡大しつつある横浜FCでも目標達成に期待がかかる。札幌でもそうだったが、個性溢れるスカッドを上手く整理してソリッドなチームを作り上げる手腕は相当に高い。

日本人監督としては異色のキャリアを辿っている。プロ選手としてのキャリアはなく、本人曰く高校サッカーを引退した時点で指導者志望の意思を持っており、順天堂大学から筑波大学大学院へ進学した。大学院では田嶋幸三研究室に所属し、後にJFA会長となる同氏の手伝いをするうちにJFAとの繋がりを持つようになり、ちょうど人手不足だった事もあって1996年からスカウティング担当として日本代表チームに帯同。アジアカップ1996から最終予選、そしてフランスW杯までの激動の日本代表の軌跡を内側から経験した。そもそも札幌で仕事をするようになったのも1999年から札幌の監督に就任した岡田監督の誘いによるもので、トップチームの監督からアカデミースタッフまで様々なポストを歴任。2017年に札幌の監督を退任した後もコーチとしたチームに残り4シーズンに渡ってミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下で学び、いわば岡田武史ミシャの薫陶を受けた事になる。

幼稚園と小学校の途中までは岡野雅行、大学時代は名波浩と同級生で、特に名波とは大学受験の受験番号が一つ違いだった。中学で同級生だったマツコ・デラックスとは中学時代はよく喋っていたらしく、直接の知り合いではないが隣町に住んでいたキムタクは友達の友達で、デビュー前から「ジャニーズに入ったカッコいいやつがいる」と認識していたとの事。

 

 

 

山口智

(湘南ベルマーレ)

 

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生年月日:1978年4月17日

国籍:日本

現職:2021年9月〜(3年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ12位(2022湘南)

Jリーグ月間最優秀監督賞(2022年6月)

 

自身初となるフルシーズンでの監督業となった昨シーズンは、序盤こそなかなか勝ち切れずに17位以下が定位置になりかける苦しいスタートになったが、徐々に内容に結果がついてくるようになり6月には月間最優秀監督賞も受賞。残留こそ最終節まで決まらなかったものの比較的余裕のあるポジションを保てており、まさしく監督として飛躍した一年となった。選手との距離感は近くユーモアのセンスも光り、新体制発表会ではガンバのコーチ時代の選手でもある小野瀬康介とコントのようなやりとりを繰り広げる一幕も。試合の際には多彩なファッションも披露している一方で監督としては珍しくマジでどこにもスーツ姿の写真がない。普段ジャージの監督もスーツで撮る登録写真が逆にジャージだったりする。

Jリーグの歴史の中で、史上初めて現役高校生としてJリーグデビューを果たしたのが現役時代の山口監督だった。キャリアの全盛期はやはり2001年のG大阪時代で、DFリーダーとしての統率力と卓越したビルドアップ力で西野朗体制に於ける黄金期の絶対的存在として君臨。主将も務め、ACLでのトロフィーも掲げている。恩師である西野監督とは湘南のコーチや監督に就任する際にも相談と報告の連絡をするなど今でも親交が深い。湘南の公式Twitterがアップしたボレーシュートの動画が話題になったが、現役時代からDFながら得点力が高い事で知られており、ガンバ時代には遠藤保仁(磐田)のセットプレーに合わせる流れが黄金パターンと化していた。現役引退後にガンバでは当時の宮本恒靖体制のヘッドコーチをU-23を合わせて4シーズン務めており、前述の小野瀬を始め今でも山口監督を慕うガンバの選手は多く、対戦時にはガンバの選手がこぞって挨拶に訪れる。

関西弁のイメージが強いが出身は本人曰く「高知のクソ田舎」で、いかに田舎かという話はインタビューや対談の際の掴みとしてよく使いがち。小学校の頃のチームメイトには兄弟揃ってJリーグで活躍した吉村光示・圭司兄弟や声優の小野大輔がいた。ちなみに息子さんがガンバのユースに所属しており、同じガンバユースには遠藤保仁加地亮の息子も所属している。

 

 

 

松橋力蔵

(アルビレックス新潟)

 

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生年月日:1968年8月22日

国籍:日本

現職:2022年〜(2年目)

Jリーグ最高成績:J2優勝(2022新潟)

過去の主な実績:J2優勝(2022新潟)

Jリーグ月間最優秀監督賞(2022年5月)

 

6年ぶりのJ1昇格と2度目のJ2優勝に新潟を導いた監督。新潟にポゼッションスタイルとポジショナルプレーを植え付けたアルベル監督FC東京に引き抜かれた事でやや不安視する声もあった新潟だったが、アルベル体制でコーチを務めていた松橋監督がその後を継ぎ、昨年までのチームを継承しながら柔軟性を加え、新潟を最高の結末に返り咲かせた。アルベル監督FC東京の監督就任後のインタビューで「新潟でも今、松橋監督が私の築いたスタイルを継いで良い方向に導いてくれています」と感慨深げに語り、まさにいつかの広島や川崎のように発展的継承を実現出来ているパターンと言える。

現役時代は日産自動車サッカー部の育成組織でアルバイトをしながらトップチームを目指し、日産・横浜M・京都でプレーした後にJFLジヤトコで現役を引退。コーチを務めていたジヤトコが解散した際にはジヤトコの社員になる選択肢もある中で指導者として生きる決意を固め、2004年から復帰したマリノスでは長期に渡ってアカデミー部門で指導した。マリノスユースで指導した天野純水沼宏太らの信頼は今なお厚い。2017年からはトップチームのコーチを務め、新潟でのアルベル監督のみならず、マリノス時代にはエリク・モンバエルツ監督やポステコグルー監督のエッセンスも吸収している。

現実を踏まえた縦に速いプレーも取り入れるなど柔軟性と冷静さを持ちつつ、選手に叫ばれた「松橋力蔵男前」が新潟界隈で流行語になるほどの親しみやすさと熱さも兼ね備えており、トップチームでの監督は昨季が初めてだったがマリノスのユース監督時代を知る人からは期待値が元から高かった。しかしシーズン序盤にはスタッフとボールを蹴っている際に肉離れを発症。治りかけていた時にランニングを敢行したら再発し、ピッチ内で見せる計画性とは真逆のアクシデントも。

 

 

 

長谷川健太

(名古屋グランパス)

 

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生年月日:1965年9月25日

国籍:日本

現職:2022年〜(2年目)

Jリーグ最高成績:J1優勝(2014G大阪)

過去に率いた主なチーム:清水エスパルス(2005〜2010)、ガンバ大阪(2013〜2017)、FC東京(2018〜2021.11)など

過去の主な実績:J2優勝(2013G大阪)、ナビスコ杯優勝(2014G大阪,2020FC東京)、J1優勝(2014G大阪)、天皇杯優勝(2014〜2015G大阪)、ACLベスト4(2015G大阪)など

Jリーグ最優秀監督賞(2014)

Jリーグ月間最優秀監督賞(2019年4月2021年6月)

【当ブログ選出 クラブ別ベスト監督ランキング企画 FC東京1位清水2位G大阪2位

 

 

 

Jリーグ史上2人かつ、日本人としては唯一の三冠王者の経験がある監督。これまで率いた全てのクラブで結果を出しているのみならず、岡崎慎司(シントトロイデン)や堂安律(フライブルク)、久保建英(レアル・ソシエダ)らを筆頭に多くの選手を代表クラスにまで育て上げた日本屈指の名将。メディアでは日本代表監督の候補に名前が挙がる事もあり、西野朗監督が持つ歴代最多勝監督の更新も狙える位置につけている。

ただし、ここ2年は長谷川監督にとってもやや厳しい時期となった。ややスクランブル的な就任となった名古屋での監督業だったが、シュヴィルツォクの出場停止というアクシデントにも見舞われて深刻な得点力不足に陥る。3バックへの変更など試行錯誤もしたが最後まで上昇気流に乗れたとは言えず、終盤に盛り返したが中位に留まった。それでも「(チャンピオンになる為には)いつまでもウノゼロじゃない」とゲキを飛ばし、これまで手付かずだった若手の登用にも取り組むなど変革に向けて積極的に動いてる。清水・G大阪FC東京ではいずれも2年目に最高成績を出しただけに今季に懸けるものは大きい。

G大阪FC東京で指導を受けた大森晃太郎(磐田)がかつて「下から敬語で喋ってくる時が一番怖い」と語るなど「怖い」として有名で様々な武勇伝があるみたいな噂もあるが、「試合後のインタビューでスキッベ監督(広島)に絡まれてニヤニヤした」「劇的決勝ゴールに喜びすぎてピッチを走り回ったら退席喰らった」など愛すべきエピソードも多い。ASローマとの親善試合の後には名古屋ベンチ前まで挨拶に来たジョゼ・モウリーニョ監督に気付かず、スタッフとのハイタッチが終わるまでうっかり世界のモウリーニョに待ちぼうけを喰らわせた。験担ぎで試合前日にはカツ丼を食べるが、G大阪Jリーグ史上稀に見る過密日程を戦った2015年に一気にふくよかになった気が…(因果関係は定かではない)。

小学校の同級生だったさくらももこ氏の作品であるちびまる子ちゃんに登場する『ケンタ』が長谷川監督本人をモチーフにしたキャラクターである事は有名な話だが、同じく登場人物の大野くんと杉山くんは長谷川監督とその親友をモデルにしたキャラクターであり、実質的にちびまる子ちゃんでは長谷川健太が2人出てくる事になる。また、EXITのりんたろーは浜松大学の監督を務めていた頃の教え子だった。

 

 

 

曺貴裁

(京都サンガFC)

 

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生年月日:1969年1月16日

国籍:韓国

現職:2021年〜(3年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ8位(2015湘南)

過去に率いた主なチーム:湘南ベルマーレ(2012〜2019.10)など

過去の主な実績:J1昇格(2012・2014・2017湘南,2021京都)、J2リーグ優勝(2014,2017湘南)、ルヴァン杯優勝(2018湘南)など

Jリーグ月間最優秀監督賞(2021年4月2021年8月)

☆J2優秀監督賞(2017,2021)

【当ブログ選出 クラブ別ベスト監督ランキング企画 湘南1位京都2位

 

 

 

湘南時代を含めると4度の全てのシーズンでJ1昇格を成し遂げた昇格率100%監督。12年間J2を彷徨い続けた京都でさえもJ1に押し上げてみせた。京都にとって12年ぶりのJ1となった2022年シーズンは、前年度から構築した「秩序あるカオス」を基に上福元直人やピーター・ウタカの活躍で前半戦を席巻した。後半戦ではウタカの失速もあって参入POに巻き込まれるところにまで至ったが、最後は何とか昇格1年目での残留というミッションを達成。フロントからはJ1残留が決まる前の時点で続投を要望されるなど信頼は厚い。自らの地元でもある京都にサッカー文化を根付かせる事を目標に、まずはJ1定着に向けて来季も奔走する。

湘南時代は3-4-2-1の印象が強かったが、京都に来てからはスタートはほぼ一貫して4-1-2-3を採用している。アンカーは「ホールディングセブン」で、サイドバックは「リードアクセル」といった具合に各ポジション毎に役割に準じた名称を用いる独特の指導法も、試合中は隣に座る杉山弘一コーチを介してスタンド上段に陣取る長澤徹コーチと連絡を取り合う姿もファンにはすっかりお馴染みとなった。湘南時代の教え子でカタールW杯出場も果たした遠藤航(シュトゥットガルト)や山根視来(川崎)を含め、多くの人が曺監督の「言葉の力」を絶賛しているように話術も巧み。試合後の会見でのコメントは勝敗を問わずに読み応えがあり、湘南時代からブンデスリーガマニアとして知られていたが京都に来てからはドイツ人のクロップ率いるリバプールアンフィールドを引き合いにしたコメントも多い。指導者としては湘南の監督の印象が強く、現役時代は柏・浦和・神戸に所属した曺監督だが、指導者キャリアのスタートは実は川崎で、その後C大阪でのコーチ/ヘッドコーチ職を経てから湘南ユースでの指導に就いている。

高校までを京都で過ごしており、京都市の都市部ではない場所(大原)の出身で近所の住民は大体みんな顔見知りの人間だったからか、大学合格の吉報は自宅に合格通知が届くよりも先に「あんた合格通知届いてるで」と郵便局のおじさんに言われて知った。「自分のクリアボールをそのまま決められて負けた」と述懐する高校最後の試合を戦った太陽が丘のグラウンドは、当時は無かった現在のサンガの練習場の真裏に位置しているというのも、また不思議な縁というかなんというか。ちなみに京都からの監督就任オファーは実は2015年シーズン終了後にも一度あったが、この時は気持ちは京都に傾いた瞬間もありながらも主力の大量流出に揺れる湘南での続投を選んでいる。

 

 

 

Part3につづく!

 

サンガスタジアムの小籠包美味いぞ

ではでは(´∀`)